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銀と灰色の世界にささやかな黄金の青春を

PBW「シルバーレイン」及び「サイキックハーツ」用のキャラブログです。そっち自体の知識がないと読んでも意味わからないですごめんなさい。ここに住んでいるのは、稲田・琴音(b47252)、アリス・ワイズマン(b57734)、シンディ・ワイズマン(b60411)、睦月・絵里(b80917)、睦月・恵理(d00531)になります。
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10.19.03:25

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  • 10/19/03:25

03.04.11:00

(天の岩戸からささっとノートを差し出す手)





【はじめに】
前回のものも含め、SSを書き起こす際には、参加PL様全てにまず公開の了承を得た上で、書き上がった原稿も見ていただいてキャラ表現面での了解も取ってあることを始めにおことわりしておきます。また、「」内の発言は99%まで無修正で書いています。後の1%は、場面に合わせた発言順番の変更と、連続台詞の統合、それに「はぁああっ!」のような必殺攻撃における気声のたぐいをいくつか追加しただけです。












Hi!皆さんコンニチハ、シンディだよ!えーと、琴音から「書き上がりました」と渡されたので、今日は以前にもやったオンライン銀雨セッションSS化企画、その2をやりたいと思いマース。

さて今回も最終戦闘場面だけど、パーティーは違うヨ。背後さんが同じセッションを何回も使いまわしているモノだから……(sigh)

さて、琴音からの伝言があるんだケド、

「今回は、一人称から三人称に視点変更をしてみました。全く同じように場面を描いても何ですし、ね。そうしたら文章量が増える増える……だいぶ物凄いことになってしまいました」

「さて、この場を借りまして、公開の許可を頂いた黒賀・重太郎先輩、武神・志摩先輩、狩目・矢貴先輩、梅宮・初花さん、神楽坂・燈子さんに心からお礼申し上げます。楽しいセッションを本当にありがとうございました。またご一緒出来る機会があることを願っています。……ゴーストチェイサーシナリオもやりたいですし」

だそうよ。


なお、使える視点数の問題で、このシナリオのSS化は残念ながらそろそろ限界みたいネ。PCの視点を好き放題に使うワケにも行かナイし、最終戦闘以外の場面を使うと場面の切りが物凄く悪くなるシ、いい加減次のシナリオをやれ、と言う声も背後サンの中から上がっているみたいだし。なので、同じシナリオでこれ以降のパーティはログのみになってしまうと思うンだけど、どうか許してネ。



では、これより先リプレイSS始まるヨー♪前回よりもぐっとネタバレ度が高いノデ、プレイ中、及びプレイ予定の方々は読んじゃ絶対にダメよ?

あと、ちょっと前知識。狩目サンと梅宮さんは主従で、まだ一般人だった梅宮さんがGhostに追い詰められていたところを狩目さんが助けているの。そして、黒賀さんと武神さんは婚約者どうし。神楽坂さんはこの場面のもう一人の中心人物と同い年。このあたりを把握して読むト面白さが増すかもね?




















「永きをさまよう迷子よ。貴様には人の心の機微は分かるまい。それを知る時すら与えられなかったのだからな。……我が貴様にしてやれることは一つのようだな。ならば、それを果たそうではないか」

矢貴の穏やかな声は、少女……ゴーストの心をかすかに波立たせた。その声の中の憐れみが、それを抱ける自由な心が妬ましいからだ。それが、未練に縛られた悲しい心。

「ざ、残念だけど君たちはこ、『こっち』にはい、居てはいけないんだ」

どうしていてはいけないのだろう?既にここにいるのに、いてはいけない理由が妄執の霊にはわからない。重太郎の言葉は、幼い心に届かない。しかし、こめられた真心は耳の覆いを激しく叩き穿つ。

「立ち止まったままの哀しみは深くなるだけだもの。一歩踏み出せる人だけが哀しみを過去にできるの。時の止まったあなたたちには、もう無理かもしれないけれど…」

燈子の言葉が、手にした銀の鋏のように魂の患部を切り開く。自分達の時が終わっていること、それを彼女は本当は知っているから。

怒りと恐怖にざわめく地縛霊に静かに向き合い、志摩が慈悲深き明王の如く刀を不動に、断固として構えた。

「…もう寂しい、悲しい思いをしないように、行くべき所に送ってあげるから…痛い事してしまうけど、ごめんね?」

その気を感じ取り、少女の中からもやのようなものが立ち込めて能力者たちの周囲を取り巻き始める。それは本来目に見えるはずのないもの。たくさんの叫び、呟き、嘆きの声。少女よりもはるか前にこの地で死んだ、未練に満ちた子供達の想い。

「 可哀想な子たち…」

燈子が思わず呟く。彼女らは互いの悲しみでなお互いを悲しくし、呼びかける声を掻き消してしまっている。このままでは、けして救われることがないのだ。

その憐れむ声を感じ取ったかのように、枯れ木と荒れ地しかないはずのそこに、ふと、はらはらと白い花びらが舞い始めた。形を取り始めたもやを優しく慰撫するかのように花は降り注ぎ、数瞬の後、ぱあっと黒き闇に変じて弾けた。怨念が、呪いによって次々と食い尽くされて行く。

だが、ほんの少し足りない。もやが闇を振り切って弾けようとしたその時、かざされていた重太郎の手を、横から志摩がそっと握った。

「意地でも当てようね、重太郎!」

心が繋がり、強い魂が呪いを更に強める。罪と悲しみを呪うその蟲達の猛攻をもはや支えきれず、少女を覆った妄念の壁が押しつぶされて瓦解を始める。

少女はその光景に一瞬呆然としたが、すぐに声を上げて泣き叫んだ。声と共に吐き出された恨みは、近しいものと本能的に感じたか、初花へと擦り寄って包み込む。だが、ほんの一瞬でそれは強い生命の力に巻き上げられ、吹き飛ばされてしまう。

「その涙があなたの歪みの象徴よ……だから、みんな蹴散らしてやる」

一歩間違えれば同じものになっていたはずだった初花は、憐れみを押さえ込んで決然と呟いた。

従属種のその声に応えるように、矢貴が音もなく妄念の中へと踏み込む。輪舞の名に恥じずその動きは流麗でいかなる防御をも許さず、銀光と漆黒の弾丸が無尽に空間を飛翔する。一瞬遅れ、壁が掻き消したように消え失せた。

瞬く間に守りをなくした地縛霊の耳に間髪入れず、ちぃん……と銀の鋏の噛み合う音が響く。水面の波紋のような静謐な振動が縛られて凝り固まった少女の身体を優しく震わせ、その瞬間を逃すことなく、絡みつく怨念の黒い鎖を打ち砕きながら初花の銀の鎖が少女の全身を縛めた。牙が閃き、まとわりつく迷いを引き裂き吸い尽くして行く。発された燈子と初花の声は、全く同時だった。

「悲しみを抱いて現世にとどまるよりも、輪廻の夢にお帰りなさい。きっと貴方のお父さんやお母さんももうそこで待っていてくれますよ」

「自分が愛されていなかったなんて思わないで!」

その苛烈な攻撃ではなく、発された言葉こそが、少女をびくりと震わせた。

「愛……おかあ……さん……?」

悲しさと怖さのあまり忘れていた大切な記憶。救いであるそれを思い出しかけた少女を、一人で逃げるのは許さないとばかりに背後の他の子供達の声が膨れ上がって包み込み、天を見上げた目と懐かしい囁きに傾けられた耳をすっぽり覆ってしまう。しかし、膨れ上がって薄くなったその瞬間を、矢貴の狩人の目は見逃さない。

「一つ教えてやろう。貴様の嘆きは今ここで消える」

聞こえた銃声は一つ、発射された弾丸は無数。正確無比な連射が伸びきったもやを千々に吹き散らす。開かれた道に、志摩が迷わず飛び込んだ。

「ごめんね、でもこれは必要な事なの!」

清冽な気に輝く手甲、影に染まる刀。迷いを払う光と、苦しみを慰撫する影とが決意を宿して燃え上がる。白と黒が炸裂し、少女の体から最後に残った未練の闇が叩き出された。それは、閃きの中で哀れなほど必死に消えたくないともがき続ける。……そして、ふと降り注いだ白い花びらに見惚れたかのように、不意にぴたりと動きを止めた。

「志摩 洗練さ、された武神の技でお、送ってあげて」

畳み掛けられた重太郎の呪いが影を闇よりもなお黒く染め、愛情が光を太陽と化す。

「はぁああっ、破邪龍声!」

志摩の裂帛の気声と共に、残った最後の怨念がとうとう砕け、まさしく龍神の降臨の如くに巻き起こった清冽な烈風が怨念の欠片を残さず天へと、安らぎの待つ場所へと運び去って行く。






その後には、きょとんとした少女がたった一人立ち尽くしていた。そして、数瞬遅れて、その表情がぱあっと輝いた。胸が痛くなるくらいに混じりけのない笑顔が、終に少女の顔に還り着いた。

「……お母さん……迎えに来てくれたの?」

その視線が見据えるのは能力者達の背後、どんよりと曇った特殊空間の空。
少女の瞳に涙が浮かぶと共に、風がさあっと吹いて暗雲が晴れて行く。
天に太陽が輝き、荒野に花と緑が甦り、外の世界との壁がぼろぼろと崩れ出す。

「ずっとね、怖くていやな夢見てたの。もうね、いけないって言われたとこに入ったりなんかしないから、帰って、いっしょにご飯食べたいよ……」

少女はぽろぽろ涙をこぼしながら能力者達の方へと踏み出す。

一歩、二歩。歩むごとに、その身体が足元から銀色の光の粒になって、さらさらと、優しい音を立てて崩れていく。子供達の中でたった一人、捨てられたのではなく迷っただけだった……そんな哀れな少女の旅が、とうとう終わりを告げる。最後に残った涙でぐしゃぐしゃの笑顔も、外から吹き込んだ優しい風に溶け、消えて行った。

本当に聞こえたのかそれとも気のせいか、能力者達の耳には小さな声が残っていた。ありがとう、と。

 










 


「ありがとう、かー……」

初花が呟く。矢貴がそれを聞きつけ、そっと尋ねた。

「どうした?」

「なんでもないです。ちょっと……ありがたいことだなと思っただけです」

「そうか。ならば、よい」

まだ残る風が、矢貴のマントを巻き上げて表情を遮る。彼の従属種は、その向こうにどんな表情を想像したのかは知らず、ただ静かに頷いた。

「ええ」





 



志摩の視線が天へと上げられ、優しく少女を送り出す。その傍らには重太郎がそっと寄り添い、手を重ねていた。

「行ってらっしゃい、次は幸せな人生を送れますように」

 「そ、その時は友達にな、なりましょう、ね?」

 

 






燈子は目をそっと閉じ、小さな声で少女に別れを告げた。心からの祈りをこめて。

「ばいばい……またいつかこの世界に生まれてきてね」

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