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銀と灰色の世界にささやかな黄金の青春を

PBW「シルバーレイン」及び「サイキックハーツ」用のキャラブログです。そっち自体の知識がないと読んでも意味わからないですごめんなさい。ここに住んでいるのは、稲田・琴音(b47252)、アリス・ワイズマン(b57734)、シンディ・ワイズマン(b60411)、睦月・絵里(b80917)、睦月・恵理(d00531)になります。
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12.14.11:21

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  • 12/14/11:21

02.09.21:17

戦争が終わって・琴音編




「……」
夕方に部屋に帰ると、琴音は糸が切れたようにふらりと布団に倒れ込んだ。部屋に帰る前に山道のロードワーク10キロと腕が上がらなくなるまでの射撃練習をこなして来たのだから無理もない。

これで、今日はよく眠れるだろう。戦争の日の夜は、何度も悪夢に飛び起きたのだ。


まず、未経験の大規模戦闘の衝撃が心に食い込んでいた。

いかに心の準備をしていても、知らないものに完全に備えることは出来ない。琴音には、戦闘の経験はあっても戦争の経験はなかった。他人の目が消えた途端、想像したこともないほどの数の怪物に取り囲まれて、駆け回って抵抗することすら出来ず袋叩きにされた時の絶望的な恐怖が甦ってしまう。ゴーストチェイサー達は、生命賛歌と言う保証なしにあの恐怖に立ち向かったのだ。それを考えると、あまりに胸が痛い。

 

そして、そのゴーストチェイサー達の無残な亡骸の記憶がより由々しく彼女の魂を打ちのめしていた。

彼女の半分、蟲としての部分はあの結果をよしとする。少ない犠牲で多くが生き残れ、何よりも蟲達は巣と共に無事なのだから。死体の状態?新鮮さ以外の意味ならば、そんなものを気にするのは人間だけだ。実際、彼女は生理的嫌悪感と言う意味での衝撃はほとんど受けていない。

しかし、十年近く普通の少女として、厳しくはあっても優しく育てられ、切り離せない根幹としてしっかりと存在する人としての琴音の心はその結論に激しく抗う。抗ってはいけないと思いつつ、なお抗う。立派な人達だったのに、どうしてあんな無残な死に方をしなければならなかったのかと。死体はただの物であっても、その死体の背後にはたくさんのものがあるはずだと。

他に道はなかったのか。何か間違いがなかったのか。まだ子供らしく、ちらと閃いた他への責任転嫁に心が逃れようとしても、土蜘蛛に仕えるべく教育された知性と蟲と共に受け継いだ戦士の霊がそれを否定する。作戦は不確定条件の混じった中でも必死に導き出された効率的なもので、実行部隊に手抜きなどはもちろんあったはずもない。責任転嫁などどこにすればいいのか。一瞬考えたことすら、一生懸命戦い抜いた人々への愚弄で許しがたい大罪だ。心に刺さる刃が更に増える。

あまりの痛みに泣こうにも、人前で涙を見せないように心得るのが行き過ぎて、一人の時でさえ反射的に涙を押し殺してしまう。暴走する心の逃げ場はどこにもない。

感情に振り回されてはいけない。巫の教えで乗り越えようとすれば、感性豊かであらねばならないと言う同じ巫の教えが行く手を阻む。ならばどこに感情を位置させればいいのか。どう制御すればいいのか。いくら教育や継承があったとしても、しょせん十年足らずしか修行を重ねていない幼い子供が、ちょうどいい感情の置き所を見極められるわけはない。まして、伝聞でなく実際に目にする事態にどれだけ対応出来るものか。

感情は八方を塞がれてぐるぐる迷走し、圧力を高め、やがて一番もろい壁が突き破られた。こらえていた涙がぽろぽろとこぼれ出す。それでも堪えようと声を詰まらせ、琴音は静かに静かに嗚咽した。今日ばかりは鍵をかけた自分の部屋で、ただひたすらに泣き続けた。

 

 

気がつけば、もう朝だった。あの後どれだけ泣いたのだろう、ずいぶん気分がすっきりしていた。結局若い心なのだ、一度弾けてしまえば回復は早い。弾け飛んでいた理性は復活し、感情に教え諭す。死者達の霊に心配をかけてはいけないと。それこそ、彼らの安らかな眠りを邪魔すること。悼むのは悪いことではない。しかし、澄み渡った気持ちでするべきなのだ。気枯れた心を霊に捧げてはいけない。まずは彼らが、自らの行いを誇れるように……

「……胸、張らなきゃ」

そう言ってみても、まだまだしばらく悪夢は続くのだろう。人間そこまで単純ではない。しかし、朝の光は昨日より少し綺麗に見えた。まずは顔を洗って、いつものスケジュールを取り戻そう。早く日常を取り戻すのだ。琴音は立ち上がり、ドアの鍵を開けたのだった。

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悪夢など、いくらでも見れば良い
2009年02月10日火

自分が悪いと思う事、大変結構。反省が無くば人は成長しない。
ですが、一つだけ、忘れてもらっては困る事があります。
悪い子を、弱い子を許さない大人が居ていいはずが無いんですよ。

・・・無理をする必要なんかねぇんだよ、ホント。
泣けばいいし、そんで甘えりゃいいんだよ。
いつかよ、泣きつかれて、甘えられて、んで、全部を許してやれる大人になるにゃあ、そういう事を全部やんなきゃだろ?
今のうちぐらい、泣いとけ泣いとけ。

泣きはらした顔を洗って戻ってきて
2009年02月11日水

えっ、せ、先輩どうして……。
(はたと何か閃いて、小さく呟いた)
シンディさんだ……もう!








……そうですね。
私は、一度甘えると歯止めがきかなくなってしまう性質でして……弱い自分を許さない心も、また成長には必要だと思うんですよ。

……でも、ですね。もし叶うのなら……これからちょっと、お散歩に付き合っていただけないでしょうか?話したいことは、とてもいっぱいあるんです。

ある日、何かを感じとって
2009年02月11日水

何も言わずに、そっと抱きしめた。

ふむ
2009年02月12日木

私でよければ、いくらでも付き合いますよ。

言葉に出すことは出来ずとも
2009年02月12日木

(先輩達の傍に、じっと安らいだ顔で寄り添っている)
……♪

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