02.02.13:20 [PR] |
08.23.12:00 恐れを知らぬ長文投下 |
Hello,everyone. 今日は、琴音に代わってボクが更新ですネ。なぜかと言えば、今回の内容にはボクが関わるからなのデス。この間琴音が初のシルバーレインGMをしまして、メッセンジャーとしてボクがちょびっと登場したんでス。
さて、本日はPLの皆様方に無理を言いマシテお許しを頂き、クライマックス戦闘近辺のログを公式リプレイ(PBWの方)を意識して加筆修正したものをアップさせて頂きます。場面切抜きなので前後関係がわかりづらいかと思われマスが、そこはどうかご勘弁下さい。物好きさん以外続きは読まないのが一番デス。
使ったScenarioはこちらのリストの一番上になりマスね。
なお、同じシナリオの使い回しをしていマスので、既に参加中の方は絶対に見ないで下さいね?ネタバレ、駄目、絶対。
なお、同じシナリオの使い回しをしていますので、既に参加中の方は絶対に見ないで下サイね?ネタバレ、駄目、絶対。
大事なことなのでTwice言ってみました。これを守って下さると、別の面子での同じシナリオの同じ場面のログを同じように加筆修正してみるようなこともこの先もしかしたら起きるかも知れナイらしいです。……とか言いつつネタバレと言うにはイベントワードなんかが書いてあるわけでもないので、まだ参加していない方が見たからと言って参加不可能になったりはしないそうデスヨ。GW構成さえ、いらないのはすっ飛ばしてますしね。
琴音「この場を借りまして、許可を頂いた平賀・万葉先輩、浅野・クリューナ夢衣先輩、彩咲・かなで先輩、夜白・雛先輩に心からお礼申し上げます。楽しいセッションを本当にありがとうございました。またご一緒出来る機会があることを願っています」
ちなみに、語り部は運命予報士「三枝 まつり」サン。運命予報士の視点を通して描く能力者の戦い、背後の人が一度やって見たカッタらしいですよ?なお、アンオフィも入っているかと思いますが、見なかったことにして下サイ。内緒、秘密デス。それがニンジャの心得ですヨ。
このまつりサン、運命予報士になったきっかけのゴースト事件での恐怖体験のトラウマで失語症になっていて、いつもパソコンで会話していマス。だから、フォロー役としてボクが必要になったわけなのです。音がないと説明に不便な場所もありマシタからね。Textオンリーの運命予報士呼び出しで、テレビの方を見てない人が気づきまセンでした、とかさすがに困りマス。
以上、基本知識デシタ。
「晴れ姿・涙雨」
先輩達は無事かな。その言葉ばかりが頭の中をぐるぐる回る。
ゴーストはとても怖いものだ。狭い倉庫の中でただ震えていたときのことは今も忘れられない。ううん、一生忘れられないかもしれない。そして、あんな人のよさそうな先輩たちがゴーストのところに……部屋を歩き回る私の肩を、アリス先輩がそっと叩いた。
「大丈夫、皆無事デスね。女の勘デス、信じてイイですよ」
最初に「クセモノ!」と言いながら赤いマスクと黒装束姿で天井裏からいきなり落ちてきた時はどうしようかと思ったけど、この先輩、けっこうまめで優しい人みたい。陽気な笑顔を見ていると、思わずこっちの顔までほころんでしまいそうに……あ。
突然、先輩たちが戦っているのが見えた。今までにも何度かあったことだ。立ち位置と目の前のゴーストウォールからして、たぶんゴーストの、それも親玉の見たものを私は見ているんだろう。
「自分が悲しいなら他人を泣かせてはいけない……つまり、そう言うこと!」
視線は目の前の敵ではなく私の……つまり親玉の方に据えたまま彩咲先輩がぱっと踏み込んで、ナイフを振りぬく。教室でののんびりした様子からは想像出来ない、とても厳しい顔と電光のような速さ。ナイフは物凄い風をまとって剣となり、刃だらけの狼を頭から尻尾まで一刀両断にする。狼はそのままぱっと散って、銀色のきれいな光になった。詠唱銀の光……あんな恐ろしいものの核だけど、いつ見ても本当にきれい。そして、その銀光を巻き込んできらめく暴風の中で凛々しく立つ彩咲先輩は、戦いの女神か何かのようだ。
機先を制された他のゴースト達が動きかけたけど、その足元はいつの間にか純白の糸に絡め取られていた。平賀先輩が静かに糸を引くと、ふわりと舞った糸がゴーストたちの足から全身までにまとわりつき、戒めてしまう。こちらは彩咲先輩とは逆に、教室で会った時のままの顔。のんびりしてて、ちょっと面倒そうで、何だか少し怖くなってしまうくらいにきれいだった。その細い指先には力がこもっているようにも見えないのに、ゴースト達がいくら暴れても糸はほどけない。静かで圧倒的な姿が、まるで死神のよう。
「ふふ。土蜘蛛の檻はしつこいよ?」
視点が馴染んで来るにつれ、相手の親玉が女の子のゴーストだと判ってきた。その子の心のほんの一片が私の心に入り込んで来たから。私の意思とは関わりなく、未練にとらわれきった悲しい心と触れ合ってしまう。運命予報士になってから、何が辛いかってこれが一番辛い。ほんの少し触れ合っただけなのに、心が痛みのあまり真っ白になって行く。
……でも。
「君の動きはお見通しさ♪」
軽い口調とは裏腹に鋭い動きで夜白先輩が長槍を振り抜き、その軌跡が逆巻く業火の刃となって後ずさろうとした私……じゃない、女の子に追いすがる。防ごうと手をかざしたその瞬間、もう一閃。受け止めかけていた一回目の刃と二回目の刃が交錯し、閃光の中で女の子の小さな身体が弾き飛ばされた。その視線の先にある夜白先輩の眼は炎に燃え、生命に満ちて暗い心を寄せ付けもしていない。
(……そう)
「ねえ、お姉さん達も死んで……いっしょにいよう?」
悲しさに満ちた女の子の言葉は、誰にも届かない。ううん、届いても効果を表さない。
「一緒にいてほしきゃあ、殺してみるがいいさ?」
にやりと笑って夜白先輩が冷たい死を跳ねつける。
彩咲先輩の輝く嵐は、凍える死を吹き飛ばす。
「……一緒にはいけないわ。だって、あたし達は生きてるんだから」
(そう、浅野先輩達のような、きらきら輝く命がゴーストの目を通して見えるから)
「あなたと!………行くわけにはいかないよ?くすくす……」
轟音と共に、平賀先輩の瞳のような透き通った炎が視界を覆った。私の周囲を覆っていた黒い影が、光となって天へ昇って行く。私にしがみついていた、捨てられた子達の心だ。……そう、大勢で一緒に泣いているから、いつまで経っても泣きやめなかったんだ。私の……この子の心がすうっと晴れて行くのがわかる。今まで影にぼやけていた空に、優しい笑顔を今は思い浮かべられる。
「……お母さん……迎えに来てくれたの?ずっとね、怖くて嫌な夢見てたの……おかあさぁん……」
嗚咽するこの子の体を、ふとあったかい腕がきゅっと抱きしめた。見上げた先で優しく笑っているのは浅野先輩。でも、お母さんだ。こんなに優しくてうれしいのだから。浅野先輩だけど、この子のおかあさんなのだ。
「……ゆっくり、おやすみ」
髪を撫でられると、この子の嗚咽がやんで、ぱあっと笑顔がこぼれた。
「もうね、いけないって言われたとこに入ったりなんかしないから……いっしょにお家帰って、ご飯食べたいの」
私から離れた女の子の心が、安らかに眠りについて行くのがわかる。残留思念が解放され、本来あるべきところへ昇っていくのがわかる……。
(……そう、いつだって私の目には最後に命と希望が映るから、触れる心がどんなに辛くとも運命予報を続けていられる。ううん、続けて行きたいんだ。怖い夢を切り払ってくれる、眩しい光を見ていたいから)
「……大丈夫、デスか?」
気がつくと、アリス先輩が心配そうに私の手を握っていた。私はそっと首を振り、笑顔でPCのキーを叩いた。
「先輩達は成功します。でも、その後に最後のお仕事が残っているんです……私、お手伝いに行こうと思います」
立ち上がろうとすると、アリス先輩がそっと囁いた。
「OK、私もguardについていきますネ。海苔かかったタコヤキ、よ♪」
中学生とは思えないその長身が私を軽々と抱き、背負い上げた。抵抗しようかと思ったけれど……人の背中がとっても温かくて、誰も見ていないのをいいことに、私は少しだけ甘えることにした。先輩達のあのまなざしのおかげで、怖さに凍えた心が今は溶けているから……。
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