02.02.17:03 [PR] |
07.07.23:13 誕生祝いに書いてみる |
まずは、リンクのご報告から。
リンクの張り返しがだいぶ遅くなってしまいましたけど……緑の国の魔法使い仲間、シーナ・ドルチェさんの「光纏う宿木」との相互リンクを頂きました。ありがとうございます!
さて、今日はルームメイトの誕生日に、後ろの誰かさんから記録ビデオを預かって参りました?ええと、内容は何でしょう?……再生、と(ぽち
「姉さん、ボクって日本語では女の子が言うと何かおかしいの?」
突然そう尋ねられ、シンディは思わず飲んでいたお茶にむせた。
「げほ、げほげほっ!」
「わ、だ、大丈夫?!」
「げは、げほっ……い、いきなり何で?」
「え?うん、学校でね……」
事の発端は運命予報士の生樹の誕生日パーティでの催し物だった。ボクっ子から脱却しよう、と言う何とも可愛らしい意志のこもったものなのだが……。
(……あのコったら、余計な事を……)
シンディは内心頭を抱えた。呼称についての問題は、彼女が今まで言い出せずにいた事だったからだ。
そもそもの始まりは、先に来ていたシンディの誘いでアリスが来日した際に、シンディがたまたま緊急の依頼に出張中で、ホテルにしばらく滞在するはずが、能力者の先輩としてシンディの世話を色々焼いてくれたコミックマスターの同級生がいつものようにお節介を焼き、その家に泊まる事に「シンディの知らない所で」なっていた事だった。
「Hello, Cyndiがいつもお世話になっておりマスそうで……わたしはCyndiの妹のAliceと」
「な、金髪ボインでそばっかすで日本好きで元気なNINJA娘ですって?!こ、これはまた……!」
「は、はい……?」
「ちょ、ちょっと言葉遣いが違うわ!あなたの属性なら、自分の事はボクって呼ぶべきよ!」
「そ、そうなのですカ?……ええと、ボクはAliceと……」
「……ヒャッホーイ!」
彼女を一応弁護するなら、ふだんは友達思いで行動も良識的な、とても頼りになる人なのだ。彼女に流れる腐った血の滾りが悪かっただけなのだ。
少し経って正気に返った彼女がまずいと思った時には、アリスの頭の中では「ボク=日本で自分のような女の子が普通は使う一人称」が定着してしまっており、もはやどうしようもなかったのである。ちなみに、依頼から帰ってそれを知ったシンディは、夕陽の河原で友人が泣くまで殴るのをやめなかった。
しかしながら、日本で彼女を通じていわゆる腐った血を少々ながら取り入れてしまっていたシンディにもまた、妹が自分をボクと呼ぶ姿は可愛らしくてならず……結局、現在までそのまま来てしまっているのである。何ともひどい話ではあった。
「え、ええと、ね……?」
どう説明しよう。何せ相手は、ちょっとこの先が心配になる位に純真な妹だ。うまい説明を必死に考えつつ、シンディはこんな暑い季節だと言うのに背筋に冷たい汗がつたうのを感じずにはいられなかった……。
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