02.03.00:57 [PR] |
02.02.22:01 初戦争 |
シンディ「さてさて、来ましたね。大いなる災い。残念ながら私は今外国(オフラインとルビを振りましょう)で潜入ミッションの最中だケド、妹と琴音ちゃんはやる気満々みたいネ。ちょっと心配。傍にいてあげられないのが悔しいヨ……でも、止めてどうなる子達でもナイし、止めたって向こうから来るってンだから意味ないモノね。はぁ……」
部屋に置いてあった銀の塊。まだ新しくて黒ずみ具合が足りなかったけれど、棚にうまく飾ればなかなか悪くないインテリアだった。まあ、うっかりするとゴテゴテした趣味の悪い部屋になってしまうのだが。
「……ちょっと、残念かな。ねえアリス」
琴音が呟くと、アリスはその肩をぽんと叩く。
「仕方ナイですよ。もっと大事なもの、あるんですカラ」
「……そうだね」
頷いた琴音の手の中で、詠唱銀の塊がさらさらとほどけて行く。何人もの人にもらった、大切な銀塊。贈ってくれた人達が銀塊を潰すことを快く了承してくれたとは言え、出来ればずっととっておきたかった。でも、今度ばかりは仕方ない。「大いなる災い」が目覚めてしまったからだ。戦場に赴くなら、どんなに小さくとも力添えが出来た方がいい。もっと強力な癒しの技の封印を解くために、あるいはより早く牙持つ敵を叩きのめす力を学ぶために、どうしても速やかに詠唱銀が必要だった。
「私達の巣に侵攻すると言うのなら」
「ボク達の街を害しようと言うのナラ」
『徹底的に、二度と起き上がれなくなるまで打ち倒してやりましょう』
二人の声が重なり、解けた銀が光となってその周りに集っていく。二人の中で、血に眠っていた呪が、新たな力が、次々と目覚め始めていた。まだまだ目覚めたばかりの力だが、それでも戦場に立てる最低限の力にはなるだろう。来るべき災いに向けて、少女二人の心には闘志が満ち溢れていた。
部屋に置いてあった銀の塊。まだ新しくて黒ずみ具合が足りなかったけれど、棚にうまく飾ればなかなか悪くないインテリアだった。まあ、うっかりするとゴテゴテした趣味の悪い部屋になってしまうのだが。
「……ちょっと、残念かな。ねえアリス」
琴音が呟くと、アリスはその肩をぽんと叩く。
「仕方ナイですよ。もっと大事なもの、あるんですカラ」
「……そうだね」
頷いた琴音の手の中で、詠唱銀の塊がさらさらとほどけて行く。何人もの人にもらった、大切な銀塊。贈ってくれた人達が銀塊を潰すことを快く了承してくれたとは言え、出来ればずっととっておきたかった。でも、今度ばかりは仕方ない。「大いなる災い」が目覚めてしまったからだ。戦場に赴くなら、どんなに小さくとも力添えが出来た方がいい。もっと強力な癒しの技の封印を解くために、あるいはより早く牙持つ敵を叩きのめす力を学ぶために、どうしても速やかに詠唱銀が必要だった。
「私達の巣に侵攻すると言うのなら」
「ボク達の街を害しようと言うのナラ」
『徹底的に、二度と起き上がれなくなるまで打ち倒してやりましょう』
二人の声が重なり、解けた銀が光となってその周りに集っていく。二人の中で、血に眠っていた呪が、新たな力が、次々と目覚め始めていた。まだまだ目覚めたばかりの力だが、それでも戦場に立てる最低限の力にはなるだろう。来るべき災いに向けて、少女二人の心には闘志が満ち溢れていた。
PR
- トラックバックURLはこちら